高校に入学してから初めての夏休み。
バンドを組んだベクとニョルは
文化祭に向けて毎日練習している。
それは良いのだけれど、
どうして私までそれに付き合わなきゃ
ならないの?!
「お前、どうせ暇だろ?
弁当作って練習場に持って来て。」
ベクがそう言うから!夏休みなのに!!
お弁当作って毎日登校しなくちゃ
ならなくなった。
でも、本当は嬉しい。
だってニョルに会えるから。
二人がバンドを組んでから
何かと三人で行動することが多くなった
わたしたち。
もしかして私の気持ちにいち早く気付いた
ベクが私の為に?
うううん、まさかね。
🌹
夏休みも終わりに近付いた頃
毎年ベクと行っていた夏祭り。
今年はニョルも一緒に三人で行くことに。
うーーーん。
「ねぇ、ベク。女の子もう一人誘っていい?」
「何で?・・・ああ!そうか。Wデートね。
解ったよ。お前とニョル、二人にしてやる。
俺の相手は気にするな。ちゃんと
連れて行くから!」
あ・・・ベク、そんな女の子いるんだ。
何?今胸のあたりがチクッとした。
「うん、じゃあ、お願いね!」
そう言いながらも、左の頬が少し
ひきつっていたかもしれない。
笑顔が上手く作れなかった。
ベクに気付かれた?
🌹
ベクと私は浴衣を着て
ニョルとベクが呼んだ女の子を
神社の入り口で待っていた。
目の前を、楽しそうに甘えたり
はしゃいだりしながら、
カップルや家族連れが行き交っている。
ベクと私もそんなふうに見えるのかな。
え?私今何想像した?
「ベッちゃ~ん!」
大きな元気な声で手を振りながら
女の子がこちらに歩いて来た。
べ、ベッちゃん?!
「久し振りー、ベッちゃん。またまた
格好良くなったね!」
「久し振り!て、ベッちゃんて呼ぶな。」
「あ、ベク、紹介して。初めまして。
私、ベクと家が隣で幼馴染みの
Ekkyonと申します。」
「初めまして。ベッ、あ!ベクからよく
聞かされてました。私◯◯と申します。
ベクとはライブハウスで知り合ったの。」
「聞かされてた?何をですか?!」
「◯◯、余計なこと言うな!
Ekkyon、お前は気にするな。忘れろ。」
私のこと何て言ってたの?
どうせお守りしなきゃいけない
幼馴染みがいるとか言ってたんでしょ。
ふん、だ。と心で思いながら、
「ベク、ライブハウスなんて行ってたんだ。
知らなかった。」
「ニョルもな。練習兼ねて時々
お客さんの少ない時に演奏させて
もらってるんだ。」
ふーん。
ニョルも一緒なら教えてくれればいいのに。
「意外と頑張ってるんだ。意外。」
「意外て、2回も言ったぞお前。」
「ごめん。だって意外だったから。あ。」
そこへ丁度ニョルもやって来た。
うわぁ、どうしよう。
格好良すぎてまともに見ること出来ないよ。
浴衣姿がどこかの若旦那のように
似合っている。(若旦那て、時代劇か。笑)
肩も胸も厚くて、袖から出る手首が骨太で、
手も大きくてゴツゴツしていて男らしい。
ベクのスラッと伸びた綺麗な手を
見慣れているから、男の人の手て
こんなに逞しいものなのね、と見ていた。
ふと気付くと、私の視界にその逞しい手が
差し伸べられている。
見上げるともう私の右手はその大きな左手に
包み込まれるようにしっかりと
握られていた。
私、自分の気持ちニョルに言ったこと
無いのに。
ベク、話したの?
振り向いてベクの方を見ると
◯◯さんと笑っていた。
~続く
🌹🌹
思いっ切り少女マンガの世界に
なっています。笑
チャニョルさんの体型は現在の逞しい姿が
元になっています。❤️
そういえば、
高校生の時の軽音部の友達は
イケメンだったな。
笑うとチャニョルさんのように
えくぼが出来たな。
文化祭の時はお互いのクラスのはっぴを
交換して着て回ったな。
卒業式、二人で写真撮ったな。
なんてことを、これを書いたお陰で
思い出して楽しかったです。😀
(でも、彼氏ではありません。友達。)
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