🌹薔薇の花
美しい鼻筋と
キュッと結ばれた口
憂鬱な雰囲気を漂わせ
伏目がちに通り過ぎて行く男性
その手には
ボロボロになった一冊の詩集が
決して目立つ人ではないのに
彼の姿が小さく見えなくなるまで
私は彼から目を離すことが出来なかった
時代を遡ったような雰囲気を纏った
先程見かけた男性のことを思いながら
いつものカフェの
いつもの窓際の席で外を見ていると
あの詩集が見えた
カフェのドアを開け
ゆっくりと近づいてくる足音
椅子を引き
その男性が座ろうとしているその時
彼の視線を感じた
その視線の先は
私が持っている一冊の詩集
私もまた
彼が手に持つ詩集を見ていた
顔を上げたのはほぼ同時
目が合った
どうしよう
気持ち悪いと思われたかしら
怒ってる?
視線を逸らせば良いものを
彼の強い眼差しが
それをさせてくれない
私の動揺を察したのか
あ、
あの、
と
見た目に反して彼は口籠もりながらも
同じ詩集ですね。
と話しかけられた。
え、
あ、
はい、
そうですね。
そう答えた後
変な間が空いたけれど
私は続けた。
とても好きなんです。
お好きなのは?
と聞かれ
「愛せらるるは」
と
言いかけたところで
「薔薇の花」
と
その男性が続きを言う
お互い
緊張が解けた表情になり
「愛することは薔薇の刺」
と私が言えば
「花はあまりに散り易し」
と彼が言う
そして
「刺はあまりに身に痛し」
と
2人の声が重なった
愛せらるるは薔薇の花
愛することは薔薇の刺
花はあまりに散り易し
刺はあまりに身に痛し
堀口大学『なげき』より
愛される方は
薔薇の花の良い香りに包まれたような
甘美な気分であるが
愛する方は
失恋した時に薔薇の刺が刺さるような
心の痛みがある
また
愛された方もその甘美な気分がいつまで続くのか
相手の愛が冷めてしまわないかと心配であるし
失恋した時の刺の痛みはあまりにも身に痛し
こんにちは。
聖葉と申します。
こんなふうに
共通する好きなものについて
言葉を交わせたら素敵ですよね。
平安時代には
例えば
文に季節の花を添えたり
紙に香をしたためたりして
それに関する歌を送り
それに対して
どんな返歌をするかで
互いの教養やセンスを感じていたのですよね。
それはいつの時代になっても
変わらないと思います。
伝達手段が変わるだけです。
ギョンスさんが歌うRose🌹
「春の日のような君は素敵だ」
「目を開けると思い浮かぶ人は君なんだ」
「毎日見ても君は素敵だ」
「薔薇よりも君は素敵だ」
こんな甘い歌詞が沢山
「どうしたら僕のもとへきてくれるかな」
と
恋する気持ちに素直に一直線
彼の表情は穏やか、爽やか、
そして歌声は麗か
多分
多分だけれど
実際のギョンスさんが手に持つ本は
お料理の本か映画や音楽の本
考え込む表情をしていたら
それは
レシピをアレンジして今度メンバーに
なんて考えているかもだし
実際に詩集を手に
一節を口にしてくれそうなのは
カイ君だし
なとど
勝手に妄想しております🥰
ここまでお読み頂きまして
ありがとうございました。
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