EXOに心奪われて❤️

I think about you 24/7 and pray for your health and happiness.with a lot of love. I spell my love for you. I love EXO , Roses and The Tale of Genji.

光と影~スホとベッキョン~

~TEMPO:MVで創作#3~
 

僕とスホは物心ついたころには

既にこの施設にいた。

両親の顔すらも記憶に無い。

僕たちはいつも二人一緒だった。

二人一緒に過ごさなければいけなかった。

 

そしていずれは

どちらか一人が選ばれるということを

僕は気付いてしまった。

 

 


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『僕たちはこうしていると

まるで双子のようだね。』

 

スホはいつも目を細めて穏やかな笑顔で

僕に話しかけてくれる。

その度に僕も、精一杯穏やかな気持ちを

装いながらこう答える。

 

「そうだね、スホ兄さん。」

 

幾度となく繰り返されてきたこの会話。

 

スホはまだ気付いていないのだろうか。

 

彼は優しい、優し過ぎる。

そんなに優しくては自分が

馬鹿をみるのでは、と思うくらいに。

そして

どうしてそんなにお人好しなのだろう、

と思うときがよくある。

スホは心に全く曇りがなく光のような人だ。

僕もこんなふうになれるだろうか。

 

いや、無理だ。

知らなければ、もしかしたら

なれたかもしれない。

 

いづれは別れなければいけない僕たち。

そして家族のいない僕たち。

僕たちの行く末に気付いていて

スホは僕に同情しているのだろうか?

 


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そんなことを思い始めてから僕は

スホには申し訳ないが、

自分が生き残る道だけをずっと考えていた。

 

 



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家族というものを知らない僕たち。

唯一、ここで一緒に暮らしてきた

ベッキョン

僕にとって本当の弟同然だった。

大きな声で屈託なく笑う彼の笑顔は

毎日勉強に追われるこの施設の中で

僕の唯一の癒しの存在だった。

 

それが、いつの頃からか

彼の笑顔の奥に陰を感じるようになった。

 

僕たちはいつまでこんな生活を

続けなければいけないのだろう。

そうは言っても

それほど不便にも不幸にも感じない

ここの生活。

いや、むしろ自由といえば自由だった。

 

僕たちは、沢山の知識を身に付けることを

要求され、そのためにあらゆる分野の

勉強をここで受けさせられた。

 

 

語学、武術、薬物学、気象学、心理学等。

そして体力面、精神面をも

徹底的に鍛えられた。

 

時には実習もあった。

受け取った情報を正確に把握すること。

あらゆる事態に遭遇しても冷静に素早く

意思決定をし、次の行動に移せること。

柔軟かつ融通がきくことが大事であった。

 

 

僕は勉強することは好きだった。

知らないことを覚えるというのは

世界が広がる、そんな楽しさがある。

 

 

ただ、何故こんなことまで、

という疑問はいつも持っていた。

ベッキョンはどう思っているのだろう。

 

 


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スホは頭が良くて、何でも僕より先に

習得していた。

そんなスホが僕は好きだったし、

僕が今一つ理解出来ないことを

解りやすく説明してくれた。

 

そのお陰で僕もどんどんここでの

勉強に興味を持ち、のめり込んだ。

 

ある日、スホに尋ねた。

 

「僕たちが学ばされていることは

何のためだと思う?」

 

『僕たちは何か特殊で特別なことを

学ばされている、それは解るよね。

でも、それがいつ、どこで、どんなふうに

活用されるのかは僕には解らない。』

 

スホはそう答えた。

そう、僕たちは特別な何かに

造り上げられようとされている。

 

スホはそのことに不信感や危機感は

抱かないのだろうか。

彼は真面目過ぎる。

ここでたくさん学べることを喜んでいるよう

だし、僕が考えているようなことを

彼も考えているとは思えなかった。

 


ここにはあらゆる分野の本が揃っている。

そしてそれを読むのは自由だった。

あるとき読んだ本で知ったことは

僕たちが学ばされていることは

スパイ教育と同じだということ。

何故、僕たちが?

 

その後、施設のスタッフが話しているところ

を偶然聞いてしまった。

 

「ジョンデとチャニョルがここのことを

調べ回っているらしいぞ。」

 

『スホとベッキョンにはその二人を上回る

教育と訓練を施した。

どちらかを早急に選ばなければ。』

 

どうやらジョンデとチャニョルという男は

諜報部員、つまりスパイらしい。

それを上回る能力、だから僕たちに

あんなことまで学ばせたのか。

 

「それから、シウミンという

システムエンジニアが、CUBEの組み立てに

成功したらしい。近々ここに来る。」

 

『ジョンデとチャニョルがシウミンに

接触して、CUBEの謎を解いてしまったら

スホとベッキョンを育成した意味が

無くなる。急がなければ。』

 


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スホ、僕は全てを知ってしまったよ。

だけど、君には話さない。

これは最高のゲームだ。

 

 

シウミンという男が施設に到着した日、

スホだけが呼び出された。

 

僕ではなくスホを選んだのか?

 


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スホはCUBEを組み立てたらしい。

手に持つとそれは光り輝いたそうだ。

 

部屋にスホが戻るとそう話してくれた。

 

スホ、それは話して良かったのか?

僕は兄のような君のことも

裏切るかもしれないのに。

そのために心理学も学んだだろう?

スタッフの話を聞いてから

僕は本心を見せない、と決めたんだ。

 

施設の人間は僕たちを利用する目的で

僕たちを子供のころから教育してきた。

 

ただ利用者される前に

僕はそれを逆利用する。

 

 

 

次の日、僕だけが呼び出された。

 

組み立てられたCUBE。

その目的について、

そして僕がすべきことを指示された。

 

僕たちのいる世界は

大きなCUBEの中だということ。

そこから脱出するためにスホと僕が

教育されたということ。

 

最初にスホが呼ばれたのに

何故僕にその役割をさせるのか。

 

不測の事態に冷静に、かつ柔軟に

機転を利かせ対応できる。

これは二人とも高評価だった。

 

スホと僕の決定的な違い、それは

 

情に流されないこと。

 

 


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「スホ兄さん。」

 

『ん?どうした。お前から

そんなふうに呼ぶなんて珍しいな。』

 

「僕たちのこんな生活も

もうすぐ終わるよ。」

 

『ベッキョン・・・?』

 

僕はそれ以上語ることは出来なかった。

 

あんなに自分を押し殺して

スホにさえも情は抱かないと

決めていたのに。

 

スホの優しさに

僕はずっと支えられてきたから。

 

でも、明日には

僕は変わらなければいけない。

僕が選ばれたのだ。

情には流されない。

 

 


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CUBEが僕の手に渡された。

 

僕が指示通りに動くとでも?

 

そんな簡単にこの世界から出させるものか。

 

CUBEの光は僕の手の中にある。

一つでも欠けたら

その稼働に狂いが生じ、成功はしない。

 

 

全ては僕の手の中にあるんだ。

 

 

💎

 

TEMPO:MVで創作#1

「二人の秘密~チャニョルとジョンデ~」

 

TEMPO:MVで創作#2

「悲しい嘘、優しい嘘

~シウミンとギョンス~」

 

上の二つの話と上手く纏められたかどうか

なのですが、お読み頂けたら嬉しいです。

 

#2から間が空いてしまって

LoveShotのMVのティーザーが

出てしまいました。💦

昨夜のが#1と書いてあったということは

毎晩夜中に続きが出るのかしら?

 

ここまでお読み頂きまして

ありがとうございました。

画像は全てお借りしています。

ありがとうございます。

 

 

 

 


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